sunny side down

玉城裕規さんのファンです。ぐだぐだ観劇おぼえがき。

ライチ☆とわたしの話

先日、ライチ☆光クラブの舞台DVDが届きました。わたしが直に玉城さんの舞台上のお芝居に触れたはじめての機会であり、それまで抱いていたぼんやりとした興味が強いものになり、なんて怖い人だと畏れのようなものを抱いた瞬間でもありました。

12月以降様々な舞台で玉城さんのお芝居を観て、だんだんライチの記憶が遠くなり、あれは幻だったのではないか、と思いはじめる頃になっていましたが、DVDが届き、観て、わたしが観たものは確かに現実だったんだなぁ!と思い、改めて感動しました。玉城さんのジャイボの、普段のあらゆる言葉の白々しさが妙に印象に残っていました。何を言っても実がなく、誰の胸にも届かずふわふわと宙を舞っている感じ。だからこそ、死に際の告白シーンの爆発力が凄まじくて、大好きです。あのシーンで語られた言葉は、ほんとうに、真実として胸に響き、心が苦しくなりました。本当に大好きなジャイボを玉城さんが演じてくれてよかったと思った瞬間でした。
ちなみに私が入ったのはクリスマスイブの2公演で、それは江本さんや玉城さんがtwitterや座談会で話していた「誕生日プレゼントのすり替え」が起こった2公演でした。あれ、台詞違うな!と観ながら思っていたのですが後で事実を知ってとっても得した気分でした(笑)

 

大学2年生の春休み、20歳の春でしたが、もう6年ほど前に、わたしはライチ☆光クラブという漫画に出逢いました。小説から漫画からあらゆるジャンルに通じた本の虫の友人がおり、彼女から面白い漫画を買ったから読んでみてほしいと言われ、彼女の家で読んだのが出会いです。

わたしはグロテスクな表現が得意ではなく、そういう作品にはあまり触れてこなかったのですが、ライチを読んだときは驚き圧倒され、恐怖は感じましたが、嫌悪感はありませんでした。あまりにも現実離れしていて、有り得ない!という世界だったからかもしれませんが、嫌悪するどころか読むほどに引き込まれ、自分でも手元に置きたくなって購入しました。今でもたいせつに持っています。

読了後、ジャイボが好きだ、と言ったら、ああやっぱり、と友人に言われました。わかりやすく女性的で美しい人に惹かれやすいです。

彼の行いはゆるされることではありませんが、ああ、かわいいなあ、と思います。決してその愛情が歪まぬところです。思考は歪んでいますが、ゼラに向ける愛情は揺らがないしまっすぐです。

彼はよくヤンデレなんて評されていますが、「ぼくのことを見てくれないきみなんて死んでしまえばいい」というところには決して至っていない、そんなところはこどもらしくてとても純粋だと思います。ゼラの心を奪うものは全部いらない、だから全部なくなればいい。そうすれば戻ってきてくれるだろう。きみを殺してぼくも死ぬ、そんな最後は決して望んでいなかったでしょう。もし彼の愛情そのものがそういう歪み方をしていたら、自分を愛してくれなくなった人を憎むだけで、その人を殺すだけでよかった。こんな惨劇は起きなかっただろうと思います。まっすぐで純粋な愛が凶器になってしまったのは悲しいことですね。

誰もいなくなった場所で、また愛し合いたいって思ってたんでしょう。愚かだけど、許されないけど、なんだかわたしにとってはそんなところが妙にかわいく思えます。

そしてぼくらのひかりクラブを読むと、ふたりは小学生のころから、何年も濃い秘密を共有してきたんだなぁと実感します。このころがいちばん幸せだっただろうなぁ、と思います。思春期の成長って苦しいですね。なんにも知らずに望まずに、目の前にあるものだけを手に取ってられれば楽だったのに。

舞台をひさしぶりに見て、漫画を読み返して、パンフレットを読み返して、なんだかぼんやりしています。そしてなんとなくライチやジャイボの話をしたくなりました。

カテゴリーに少し迷う話です。またライチについては書きたいことが出てくる気がします。とりあえずは公演DVDをまた見直さなくてはいけません。