sunny side down

玉城裕規さんのファンです。ぐだぐだ観劇おぼえがき。

「リュウセイ」(さよならジョバンニ)

アクセス解析などを見ますと、メサイアの感想を見に来てくださる方が多いようで驚いています。そしてうれしいです。そして、評議会の雑感しか書いていない現状がなんだか申し訳ないです。そのうち舞台全体の感想も、かきたい…

さて5月になりましたね。今月は月末にヘロQさんの舞台に行き、来月は極上文學の玉城さんご出演回すべてを観させて頂きます。
そしてメサイアイベントも2公演、狙っていた通りに行けそうで周囲のみなさんのご協力と強運に感謝しています…有り難い…

さて今回はもう2か月前のことになりますが(!)さよならジョバンニに関して。
ギンガくんについてはもう感想を書きましたが、リュウセイくんについてはまだだったな!ということで、そちらを。

リュウセイくんは、主人公ギンガくんの幼馴染みで「たったひとりの」親友。名前は「流星」と書くようです。中学までギンガくんと一緒に過ごしていましたが、高校はリュウセイくんが受験に失敗。ギンガくんが通っているのがミッション系の私立(共学)っぽいので、彼が進学したのは公立高校でしょうか。大学はまた同じところに進学しよう、と約束しているようでした。
勢いのいい性格で、裏表なくとても明るい。素直で優しく、まっすぐです。少し、いや、だいぶぶっ飛んだ感じで役をつくられたようで、静かなギンガくんとは対照的でした。
観劇後しばらくしてから、玉城さんと康平くんのステージライフのインタビュー動画を観ました。康平くんが語っていた内容ですごく面白かったのが「ギンガのことがほんとうに大好き」で、康平くん自身が、ずっとギンガくんと一緒にいるジョバンニに嫉妬のような感情を抱くこともあったということ。舞台上での彼は本当に、ギンガくんのことが大好きでした。満面の笑みで駆け寄り、いとおしそうにじゃれつく姿が愛くるしかったです。康平くんがこころの中まで確かにリュウセイになって生きていたからこその表情だったのかな、と思います。

さて、大好きな親友であるギンガくんが亡くなり、いちばん派手に取り乱していたのも彼でした。そして、僅かに息を吹き返したギンガくんに気付き、ギンガは死んでいない、銀河鉄道に乗ったんだ、それじゃあ「ぼくも乗ります!」ここまでの決断があまりにも早く、あまりにも迷いがなく、思わず呆れてしまうほどでした。迷い立ち止まり、苦悩するギンガくんとはやはり対照的で、迷うことも立ち止まることも、くよくよ悩むこともない。希望があるなら何でもしてみせる、ギンガが戻ってこれるなら。という気持ちのまっすぐさ、太陽のような明るさ、悲劇的な状況のなか前を向けること、その強さには憧れを感じます。

彼は車に突っ込んで「うまく死にかける」ことに成功します。銀河鉄道には乗れたものの、彼が乗ったのはギンガくんとは違う路線でした。どんな状況にも臆することなく、乗り合わせたパンダやオカピとも友情を築く、そんなところもほほえましいです。
ここで彼はさそりの星のお姫様に出逢います。彼女は男を誘うために対象の理想の姿を見せるのだということですが、ここでリュウセイくんが見た「理想の姿」は、一度写真で見た「ギンガくんのおかあさん」でした。ここに関してはどういうことかなーと未だに考えるのですが、写真の中で見たその女性が、つまりはリュウセイくんの理想の女性像になったのでしょうか。どちらにしろ、美しく可憐で、なおかつギンガくんを産み、守ってくれた人です。リュウセイくんにとっても大切な人には違いありません。
彼女、そしてさそりの女王様の懇願で、リュウセイくんは侵略者の監禁王子を倒して星を救うことになります。もちろん、彼女たちへの同情や、仲間を王子に監禁されていたパンダやオカピへの同情もあっただろうけれど、リュウセイくんを動かしているのは「サザンクロスに行って、ギンガを救う」という意思なのであるということを実感しました。「ギンガとはずっと一緒だったんだ、ずっと一緒にいたいんだ!」というひとことが、ずっと忘れられないでいます。

サザンクロスで出逢った記憶をなくしたギンガくんは、見知らぬ人間に対峙する眼をリュウセイくんに向けました。そして苦しむジョバンニを案じている。ギンガくんのことを強く想いながらここまでやってきたリュウセイくんは辛かっただろうと思います。しかしまっすぐにギンガくんを見守り、林檎を差し出す。思い出してくれた時は本当に嬉しそうで、見ているわたしも安堵しました。
リュウセイくんも、旅の中でまた、とても大きくなったと思います。自分の行いを悔いて、恥じて、涙を流すギンガくんを抱きしめてそっと支える。ずっとつらかったんだね、と、ギンガくんの痛みに寄り添う。やんちゃな少年だった彼は、ひとつ強さを身につけたのだろうと思います。失うことのつらさを知ったからこそ、支え、寄り添いたいと思うのでしょう。

千秋楽では玉城さんが、涙で詰まってソロパートを歌えなくなってしまう場面がありました。康平くんは笑顔で玉城さんに寄り添い、肩をぽんと叩いてすっとパートを引き継ぎました。ふたりの旅をずっと見守ってきたわたしにとっては、あまりにも素晴らしい物語の締めくくりのシーンであったと思います。強いところも弱いところも、支え合って乗り越えてゆけるのだ。涙と笑顔をならべて、寄り添い、抱きしめ合い、星を見上げるギンガくんとリュウセイくんの姿は、いまでも忘れられません。

リュウセイくんはわたしにとって最高のヒーローです。誰かのためにまっすぐに、希望をもって生きてゆける人。彼に出逢えてよかった。いつまでも憧れています。きっと、ギンガくんの心がまた弱くなってしまったときは、そばで太陽のように笑っているのでしょう。
ギンガくんとリュウセイくんとの出逢いは本当に宝物です。
そういえばDVDの発売がたしか来月ですね。それまでまた思い出を噛みしめて、そしてまた、ふたりの姿をたくさん見ることができるのが本当に楽しみです。